雑誌の紙質

電撃大王11月号

気になって、コンビニに置いてある各誌を見回してみたのだけれども、私が子供の頃に比べて明らかに良くなっている。昔はもっとボソボソでインクのノリが悪く、色も濃かった。一部の一般誌(芸能ゴシップ誌とか)やコロコロ・ボンボンなんかが最低ランクだけれども、それでも昔の標準レベル。次に少年少女誌。オタク誌や女性誌、青年誌などのその他諸々はスベスベの白いイイ紙を使っているんだなぁ。(一部の貧乏青年誌や4コマ誌なんかはアレだけど) それでもやっぱり誌面全体に薄いトーンが貼ってあるように見える。結果として、白い漫画や、タッチの細い漫画、拙くても淡いトーン多様の漫画が綺麗に映える。逆に、ペンの抜き方に強弱を付けたり、ベタやトーンに気合いを入れたりと、漫画的な技法に凝った黒い漫画は汚い印象を受けてしまう。これは実は重要な問題で、単に前者は悪で後者は善と断定することは出来ない。たぶん大多数の読者は雑誌での印象で判断し、それは部数や人気アンケートに直結しているだろう。私のような漫画読みですら守備範囲外の雑誌や無名作家の新連載はパッと見で判断しがちなので、一般人やコドモならなおさらだ。これでは黒い漫画は内容以前に読んでもらえず、新人は連載打切の確率が高いし、ベテランも新規読者が食いついて来ないため先細りとなってしまうだろう。「スクールランブル」や「まほらば」なんかは雑誌では上手いと感じるけど、単行本にすると白い紙面が手抜きだと気が付くし、それ以前に絶対的な漫画力の不足が露呈される。その点荒木飛呂彦なんかは、雑誌では手がインクで汚れるし読む気も起きないのだけど、単行本では感心させられる。しかし、前者は叩かれつつもそこそこ売れ、後者はファン以外は買わずに打切になる時代。まぁ、桂正和森川ジョージのように、ベタを多用しながら雑誌でも綺麗に見せる作家もいるわけで、これからの漫画家は誌面で受ける印象と漫画力の両立が必要とされると思う。単行本の紙質や、同人誌印刷所が提供する紙質も徐々に上昇してきているような気がする。

電撃大王

なんで、改めてこんなことを思ったかというと、4・5年ぶりに電撃大王を読んで、連載作品の画力があまりにアレだったからである。評論とかアホなことを始めて以来、漫画でもアニメでも今までは気にならなかった粗が見えてくるようになってしまった。しかし、げんしょけんのレビューでこき下ろした佐々木少年月姫が誌面で上手いと錯覚した*1ので自分でも吃驚した。しかも、他の大王連載作品はモノトーン支援効果を受けてですら見てらんないレベルの作品ばかり。特にガンダム*2は酷いモノがあって、ギレンとか別人にしか思えない。(シャアは実写版のデブに似ている)
To HeartがRになって帰ってキタ━━(゜∀゜)━━!? 新連載巻頭カラー。アニメの詳細な情報をここで知る。一学年進級して記憶喪失になったマルチと絡むのが基本らしい。ベタだけれども待ってましたという感じ。なんで今さらと思っていたけど、単にleafの経営がヤバイ(クソゲー倫理捜査官いわく)んじゃないかと思い当たる。綺麗に完結しただけにGAINAXエヴァみたいにはなって欲しくのだが、そうもいってらんないご様子。高雄右京の描く浩之ちゃんはキャラだてや顔の長さに違和感があるんであまり好きではないんだけど、それでも無印に比べれば知名度も画力も上がったかな。無印に比べれば。R第1話もレミィのデッサンとか狂っていて「なめんな」と思った。
あとは「よつばと」のジャンボのヘタレっぷりが面白かった。それ以外の作品は、同人系の淡白な画の萌えばかりで読む気すら起こらない。介錯とか。萌えを否定するわけではなくで「20代の目の肥えた我々大きなお友達が、その程度の萌えでなびくと思っているのかゴルァ」というのが感想。萌え以前の問題もあるんだけど。

ウルトラジャンプ

「BASTARD!」が再開。またも河岸を変える。天使だの悪魔だのは一度脇において、また地上編。シーン・ハリに、カイ・ハーン、シーラやジオなんかが生きていてびびった。ドワーフとかホビットとか出てきてインフレ整理の原点回帰。ベタだけどこっちの方がいいと思う。もう読むの止めていたけど、これならまた買うかもしれない。イパンビトいわく「FFXIの影響でも受けたんじゃ」…。ともあれ、同人や完全版やる暇があったら新作描いて下さい。今回もページ数少なかったし、次号掲載するとは思っていないけどNE!

*1:あくまで大王のなかで

*2:イパンビトいわくもともとメカ画専門の人で、それもオリジンの連載開始でやる気が無くなったらしい