反・聖戦の系譜

http://www2.pure.cc/~musubino/FE/feindex.htm
このサイトが面白すぎて、最近寝不足です。
ファイアーエムブレムの大きな魅力として、高難易度かつ練りこまれたSRPGであると同時に、単純な勧善懲悪ではないことと、複雑な政治・軍事の権力争いが描かれていることが挙げられます。「聖戦の系譜」という作品も、個々の正義や恋愛模様とは別に大きく俯瞰すれば、グランベル内の各派閥と周辺諸国、そしてロプト教団の権力闘争絵巻となります。また、ゲーム内にてプレイヤー伺い知ることができる範囲に限っても、少なくとも、グランベル帝国皇帝アルヴィスとトラキア国王トラバントの両名に対しては、敵対関係にあっても彼らなりの正義があり単純悪ではないことが推し量ることができます。
本作品において(というかFEシリーズ全般において)主人公サイドは常に正しく、お人よしが過ぎるあまりに災禍に巻き込まれるといった感があります。「聖戦の系譜」を単純にプレイしたユーザーの印象では、キュアン・エルトシャン・クロード・イザーク人をはじめとするシアルフィ一族に関わった人はすべて理想に燃える聖人君子で、ヴェルダンとオ−ガストとドズルは野蛮、アグストリアや北トラキアの諸国は日和見、シレジア王弟とユングヴィは分不相応な野心に燃え、フリージとロプトは狡猾に立ち回っているとのレッテルを貼られているようにみえます。
賛否分かれる大沢版・聖戦の系譜においても、ゲームでは描かれないランゴバルトやレプトールの生き様や哲学は描かれましたが、シアルフィが正義であり、彼らが悪であるという概念はそのままです。
しかし、少しでも現実的に考えると、政治や軍事や人間関係がこのように運ぶわけではないことに気付かされます。前振りが長くなりましたが、上記のサイトは、そんな「聖戦の系譜」を歴史学的考察で徹底的に深読みした、原作以上にリアルな聖戦の系譜演義です。
超絶野心家バイロンとシグルドが思い描く野望の王国実現の為に翻弄されるユグドラル大陸、賢明なるヴェルダン・アグスティ両王家、為政者としての資質が疑われるクルトにエルトシャンにラーナ、生臭坊主クロード、宰相としてグランベルを導くレプトール、イザーク統治に成功していたダナン、水面下で冷たい駆け引きを繰り広げるオイフェとレヴィン…。
全部読むのに一週間も掛かったよ。つまり政治サイコウ。