DQ8のはなし

今までのドラクエの次元を超えて「超面白い」などと耳にする。凶津が「リメイクDQ5より面白い」と言っていたから相当のものだ。私は時間もマニーも無いので、年明けにドラクエ5(2周目・重婚プレイ)を終えてから買う予定だ。
今日の反日新聞朝刊25面に、ドラクエ8の批評が掲載されていた。評者は4・5・6+精霊ルビス伝説の小説化を手掛けた作家・久美沙織とあって、エニヲタの俺的に要チェックYAH! 以下気になった部分を抜粋。
“背景画像をやや粗っぽく仕上げたのは、たぶんわざとだろう。この手の背景の嚆矢だったファイナルファンタジーVIIが、どこを通れるのか判明しにくく負担だった反省かもしれない。”激しく同意。私もFF7は3Dマップを迷路のように感じ、途中で投げ出したクチだ。
“かつてノベライズを担当していた時、堀井雄二さんにいつも言われた。「小学生ファンを大切に。凝りすぎるな。主張しすぎるな」”7の小説化が遅れ、久美沙織が降板、新人が投入された理由はまさしくソレなんだろうけど、この場でも反省も弁明も無し自己の主張を書き連ねているのがウケル。
久美沙織の小説はキャラクターが女性的感性豊かで、国語表現なども非凡な物がある文系作品なのだけど、オリジナル脚色が激しい*1 *2 *3うえに、序盤に傾斜し壮大な風呂敷を拡げる反面、中盤以降、畳み切れずに尻切れトンボで終わる。精霊ルビス伝説などは、ロト伝説の外伝(裏設定というか殆どオリジナル)であるにもかかわらず、久美節が強烈過ぎて、中学生以下には理解不能だし、大人でも繰り返し読まないとテーマすら掴めない。つまり、MM作品としては不適当だ。
比して、高屋敷英夫の小説1・2・3はいかにも理系男性的。大陸や国家や街や登場人物(敵モンスター含む)の人口や風土や歴史や地位や過去などを、一々詳細に説明し、それが一連の関連書籍*4とリンクしているので臨場感は沸くのだが、全体的に硬く淡白。3→1→2大河ドラマの設定資料集としてはともかく、小説としてはイマイチ。
どちらも、一長一短。女性作家と男性シナリオライターの特徴が両極端に現れていて興味深い。「合作すればサイコウの小説になるのに」なんて、私は未だに思っている。
さて、久美沙織は、文章後半において、ゲームバランスの易化および原題乖離について、批判もフォローも無しに、ただ触れている。結局、この批評はドラクエマンセーのフリをしながら、かさぶたを剥がしているだけの痛烈な皮肉なんじゃないかと私は感じた。こんなん書く久美も久美だが、朝日の担当者はさらにどうかと思う。

*1:IV:ピサロと魔族に関わる「序章 妖魔の皇子」、一人称「ボク」アリーナなど

*2:V:パパス・ピエール・ヘンリー父王の過去、方言ベラなど

*3:VI:ミレーユのキャラ設定など

*4:「モンスター物語」「アイテム物語」など