お業界

アニメがお仕事!」2巻(少年画報社アワーズ)─石田敦子

イチ乃エロい*1三鷹さんもエロい。「うす汚い夜の子供」「適当に自分に見合った男とつがっておしまい」悲しいことに現実。良い先輩に見守られて成長していくイチ乃と、悪い先輩に唆されて堕落していく二太の対比が痛々しい。しかし、新人教育を組織的に継続して行うことは、マネーが潤う職場で無いと現実問題無理。精神論よりもマネーですよ。金のゆとりは心のゆとり。その逆は成立し得ない。人間関係とか実力主義とか低賃金のパイの奪い合いとか、切な過ぎる。低賃金であろうと好きで働く*2という人間の足元を見るのは理に適っている。リーマンではない個人事業者との契約という法律論も、お業界に限っては正しい。しかし、ここまでデンジャラスなら、構造的問題として社会的に対処すべきだと思う。それが進まないのは、今巻でも描かれた日本社会の偏見があるからに他ならない。利益分配があまりに歪なのは、そもそも手塚治虫がビジネス抜きで始めたからなんだろう。制作サイドが団結して、テレビ局や広告代理店と闘わなければ、いずれ先細り、反日教育をしているくせにアニメが大好きな国々に、出し抜かれてしまうんじゃあ。経済を云々いうなら、消費者が制作費をもっと負担するべきだという話になるんだが、お金がかかるなら別の娯楽にシフトすると予想されるので解決不能*3。オワリ

*1:扉絵とか

*2:志願者は無限にいるし

*3:サイアクな結論だな